生きること

 『流れ行く者―守り人短編集』読了。
 4篇――最終話はエピローグ的な掌編――から成っています。
 うち1篇は雑誌「ユリイカ」に掲載された「ラフラ」を改稿したもの。

 単純に「読後感爽やか」とはいかないところがいかにもこの作者らしいところ。
 3番目に収められている「流れ行く者」以外は激しいアクションがあるわけでもなく、むしろ淡々とした流れの中で紡がれてゆく物語。
 「守り人シリーズ」自体が「児童文学」の枠を超越してしまった感の強い作品群でしたが、これはもう、端からそんな意識など持たずに書かれた作品でしょう。
 たしか作者自身も、作品を書くにあたり「子供向け」とか「大人向け」とかいう意識をすることはないというようなことをどこかで書いていたはずですが…。

 少年タンダ、少女バルサの眼を通して「人が生きるとはどのようなことか」を見つめようというのが本作のテーマであるように感じられました。

 シリーズ愛読者にとっても、初めてこの作者の作品を手にする者――まあ、ほとんどいないでしょうが――にとっても、期待を裏切られることのない佳編であると思います。

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