『ハーモニー』

 『虐殺器官』に続いての伊藤計劃作品、『ハーモニー』を読了しました。
 著者の第3長編にして遺作ということになります。

 期待を裏切らない内容で、一読後の感想としては『虐殺器官』よりも高い評価。

 21世紀後半、病気というものがほぼ駆逐された<理想社会>が舞台となっています。
 作中、更なる<理想社会>が追求されていくわけですが、読み進めるに従い苦い思いを抱かされる羽目に陥ります。
 なんとも重い読後感。
 しかし、それがこの作品の魅力なのだと感じます。

 癌闘病中に、それこそのた打ち回りながらも書き上げられたという本作。
 書かれた作品からのみ評価を下すべきであるとは承知していながら、そういう境遇におかれた作者であるからこそ紡ぎ出しえた物語ではないのかと思わずにはいられません。
 

 さて。
 作中で「大災禍(ザ・メイルストロム)」と表現される事件が『虐殺器官』の結末部分を指しているのは間違いなさそうです。
 その意味で「続編」として読むことも可能ではあるように思います。(とある会社の名前以外は共通する設定は出てきませんが。)


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