クライマックス?

 北方謙三の『楊令伝』第14巻を読了しました。

 本巻では『水滸伝』108星の生き残りが次々と退場していきます。
 そこはそれ漢(おとこ)の生き様・死に様を描くのが得意な作者だけあって、それなりに読ませてはくれます。
 ただ、『水滸伝』のときのような高揚感は感じられません。
 次巻で完結するとのことで、なんだか無理矢理に人員整理をしているように思えてしまうからでしょうか。
 この調子だと、108星はほんとうに全員「お星さま」になってしまいそうでいささか不安です。
 作品の大筋が中国史の枠から完全にはみ出すことができないとなれば梁山泊の試みは失敗せざるをえないわけで、当然好漢たちを待ち受ける運命は定まっているのですが。
 

 新しい「国」のかたちを求めようとする主人公の考え方には一理ありそうに思えるものの、結局のところ武力でしか解決がなされない――いや、おそらくは解決に至らなさそうな展開にやりきれなさを覚えます。

 決して面白くないわけではない作品。
 しかし、北方版『水滸伝』の群を抜いた面白さには及ぶべくもない出来だと思えるのは、やはり、『楊令伝』で次々と登場してきた「二世世代」に魅力を感じられないからなのでしょう。

 この長編小説に関してはこのブログでもっと取り上げるはずだったのに、感想のようなものを書くのは今回が初めてになってしまいました。
 雑誌連載は既に終了しており、次巻完結は決定ながら、更なる続編が描かれるという噂もあるようです。
 私としてはもうお腹一杯の気分。
 いやもちろん、最後までお付き合いはするつもりですよ。

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